脳ドック

脳ドックのご案内

近年、我が国では、高年齢化社会を迎え、それとともに脳卒中に罹る人が増えています。脳卒中とは、脳の血管が詰まったり、破れたりする病気で、日本人の三大死亡原因のひとつになっています。厚生労働省が令和元年(2019)11月に公開した『人口動態統計2018』によると、脳血管疾患は男性の死亡原因3位、女性の4位で、年間死亡者数は約10万8千人。また、患者数では45~54歳で4万7,000人、55~64歳で11万2,000人にものぼるといわれています。

脳卒中に罹患した場合、たとえ命をとりとめても麻痺や、言語障害、嚥下障害などの後遺症を残すケースが少なくありません。発症するまでは、自覚症状が乏しい場合がほとんどです。自覚症状のない段階から定期的に脳ドックを受けることによって、発症を予防できるケースが少なくありません。脳ドックでは、無症状の方を対象にMRI、MRAによる画像検査を中心として、無症候・未発症の脳・脳血管疾患、あるいはその危険因子を発見し、それらの発症や進行を防止することを目的としています。

中・高齢者(概ね40代以上)で、自覚症状はないけれど、脳卒中などの病気が気になる方、高血圧・糖尿病・高脂血症・肥満・喫煙などの脳卒中危険因子を有する方、脳卒中の家族歴がある方にお勧めします。

検査の内容等

  1. 問診、診察
  2. 血圧測定、血液検査、尿検査、心電図
  3. 頸動脈エコー(危険因子としての高血圧・糖尿病・高脂血症・心疾患等の有無と、頸部頸動脈の狭窄等を調べます。)
  4. 前認知症テスト(高次脳障害の検査)
  5. 磁気共鳴装置(MR)を使用しての脳の検査
    MRI:脳実質の検査(脳梗塞や脳腫瘍等を見ます)
    MRA:脳血管の検査(脳動脈瘤、脳主幹動脈の狭窄、閉塞の有無を見ます)

※オプション脳ドックでは、2.血圧、血液・尿検査、心電図を人間ドックにて実施します。

脳ドックを受けられない方

脳ドックで最も重要なMR検査は強力な磁力線を使うので、以下の方は危険があり受診できません。

  • 心臓ペースメーカーを装着されている方
  • 治療または手術などで体内に金属性のものが入っている方
  • 妊娠されている方
  • 入れ墨がある方
  • 閉所恐怖症の方
  • 持続型血糖測定器(リブレ等)を装着されている方

脳ドックを受けて欲しい方

  • 40歳以上の中高齢者
  • 脳卒中を起こしやすい危険因子を持っている方
    • 高血圧症
    • 糖尿病
    • 高脂血症
    • 家族(特に1~2親等内)にクモ膜下出血を起こした人がいる方、脳出血・脳梗塞を起こした人がいる方
    • 心臓病(心膜症・不整脈・心房細動など)を患っている方
    • 肥満・飲酒歴・重度喫煙者・ストレスの多い方
  • 物忘れ・頭痛・めまい・しびれ等が時々あり、不安のある方

脳ドックで行われる主な検査と発見される異常所見

MRI検査

MRI装置を用いて頭部の断層写真を撮影します。

  • 無症候性脳梗塞
    無症候性脳梗塞は将来 症候性脳梗塞、認知機能障害を発症する危険因子となっています。
  • 無症候性脳出血
    無症候性の陳旧性脳出血はまれですが、撮影条件で微小出血が多数検出される場合があります。微小な出血ですが、多発している場合は将来 脳血管障害を発症する危険性が高いと言われています。
  • 脳腫瘍 
    MRIでは髄膜腫、神経鞘腫、下垂体腺腫などの無症候性脳腫瘍が発見される機会が増えてきています。

MRA検査

MRI装置で血流の信号を処理することで、造影剤を用いることなく脳血管、特に脳動脈の形態を立体画像化します。

  • 未破裂脳動脈瘤
    くも膜下出血の原因となります。部位や、大きさ、形状により、出血する確率がわかってきました。
  • 脳動静脈奇形
    脳出血やてんかん発作の原因となることがあります。
  • 脳動脈狭窄
    狭窄の程度や、無症候性脳梗塞の合併などを考慮して、治療を考慮していきます。

頚部血管超音波検査

  • 頸動脈プラーク(血管内腔に限局的に突出した病変)
    ラークの存在の有無、プラークの性状、表面性状、可動性を観察します。
    プラークが大きい場合、性状が血腫や粥腫であったり、表面に潰瘍を形成している場合などは治療が必要となります。
  • 動脈狭窄
    動脈の狭窄の有無について観察します。
    血管狭窄が疑われる場合、さらに精査治療を要します。

受診について

受診の手順

  1. 受診申し込み(受診予約)
  2. 受診票、問診票を受診者に送付
  3. 問診票へ記入のうえ病院へ返送
  4. 受診
  5. 料金支払
  6. 帰宅

受診にあたってのお願い等

  • 受診の申し込みは電話でも受け付けします。(076-245-2608 ※8:30~13:00)
  • 受診のとりやめ、日時の変更の場合はお早めにお知らせください。
  • 問診票は、よくお読みになって、受診日前までに必着でご返送ください。

受診日(当日)のご注意

服用中の方で「高血圧」の薬でしたら、当日の朝服用してもかまいませんが、それ以外の薬は服用を控えてください。また、受診日当日はお薬をお持ちください。
※オプション脳ドックの方は、薬の服用をせず、お持ちください。

検査結果のお知らせ・お問合わせ

  • 検査結果は、後日(約3~4週間後)検査成績表をご自宅まで送付します。
  • 検査結果のお問合わせは、健康管理センター(076-245-2600(代表) 、内線271)までお願いいたします。

実施日

月~金曜日(宿泊ドックは1日目午後)

料金

単独41,800円
オプション30,860円