男性不妊外来

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男性不妊症

 避妊せずに定期的に性生活を送っているにもかかわらず1年以上妊娠しない状態が不妊症と定義されています。不妊症の約半数は男性側に原因があり、精液所見の異常が原因として一番多く、次に性行為自体の問題が上がってきます。

【原因】

・精子の数や運動率などの異常
  乏精子症 : 精子の数がすくない状態です。
  無精子症 : 精液中に精子が確認できない状態です。
  精子無力症: 精子の運動率が低下している状態です。

・性行為の問題
  勃起障害 : 勃起が維持できないため性交渉が困難な状態です。
  射精障害 : 射精ができない状態です。膣内でのみ射精できないこともあります。

【治療法】

・内服治療
  ホルモン治療薬の内服により精液所見が改善することがあります。
  また、サプリメントや漢方が使用されることがあります。

・手術療法
  [精索静脈癌手術]
   男性不妊症の最も多い原因は精索静脈癌です。精巣につながる静脈の血液が逆流することで精巣
  温度の上昇や酸化ストレスによって精巣の機能が低下すると言われています。手術などで静脈に血
  液が流れないようにして治療します。手術の術式には顕微鏡下手術、腹腔鏡下手術がありますが、
  当科では有効性が高く合併症が少ないため世界的に推奨されている顕微鏡下手術を標準術式として
  行っています。

  [精路再建術]
   無精子症の原因として精路(精子の通り道)が閉塞している場合に、閉塞部位をバイパスするこ
  とで精子が精液中に出てくるようにする術式です。精管と精管をつなぎなおしたり、精管と精巣上
  体管をつなぎなおしたりします。この術式も顕微鏡下手術になります。

  [精巣内精子採取術(TESE)]
   無精子症の方でも精巣内に精子が存在することがあります。無精子症の方でも手術で精巣から直
  接精子を採取することができればお子さんを得ることができる可能性があります。精子が採取でき
  る可能性は原因によって異なり、採取が難しい場合には顕微鏡下精巣精子再手術(マイクロTESE)
  を行います。この手術は提携クリニックにて行っています。

【初診の方へ】

 初めて受診される方には下記の内容で診察させていただいております。
  ・問診
  ・外陰部の診察、精巣超音波検査
  ・精液検査
  ・採血

 初診時のお願い
  ・可能な限り夫婦でのご来院を推奨しています。不妊治療の経過の確認や今後の治療方針について
   ご相談させていただく際にスムーズになります。
  ・精液検査を行うことが多いので、受診の2、3日前に射精をして、その後は射精せずに受診され
   ることをお勧めします。また、他院での精液検査の結果などもありましたら受診時に持参してく
   ださい。
  ・問診表に記入して持参していただけると診療がスムーズに行えます。