脳神経外科
脳神経外科について
当院では昭和63年に診療科として脳神経外科が開設されました。
当科では脳卒中、頭部外傷、脳腫瘍、小児神経疾患、脊椎疾患など多岐にわたる疾患に対応しております。
くも膜下出血、脳出血や脳梗塞などの脳卒中に関しては急性期治療(開頭手術や脳血管内手術など)を担当し、脳卒中地域連携パスにより、急性期治療から回復期、生活期に至る継続した治療を提供できるように近隣の医療施設、介護施設と連携をとっています。
脳神経外科専門医のみならず、脳卒中専門医や脳血管内治療専門医、脳卒中の外科技術認定医、神経内視鏡技術認定医も在籍しており、脳卒中に対し最新で高度な医療を提供しております。
頭痛や痙攣などで発見されることが多い脳腫瘍、脳ドック等により発見された未破裂脳動脈瘤、脳血管および頚動脈狭窄症などについても手術適応を慎重に検討した上で治療しております。
当科では、手術ビデオを患者様とご家族の方に供覧し、手術所見の説明を行っております。言葉だけでなく、実際の手術動画を使うことにより、自身の病気に対する理解が深まります。また、手術を行う側として、人に見せられない手術はしてはいけないという、当たり前のことを徹底しております。
診療内容
頚動脈狭窄症に対する治療
脳梗塞を発症する原因に頚動脈狭窄症が挙げられます。当科では頚動脈狭窄症に対し粥腫性状を超音波検査、CT、MRI、血管撮影検査を駆使して評価し、個々の患者様に対し頚動脈内膜剥離術と頚動脈ステント留置術のどちらが安全で確実に手術が出来るかを検討した上で、患者様に手術法を提示して治療しております。
急性期脳梗塞治療
脳梗塞を発症した場合、発症から出来るだけ早期に治療することが良好な予後につながります。発症から4.5時間以内であれば、rt-PAを使用した血栓溶解療法を行い、さらに脳血管閉塞を合併している場合は脳血管内手術(血栓回収術)を行い、血栓を除去して閉塞血管を再開通させます。この治療を開始してから、症状の劇的な改善がみられるようになりました。
当院では、365日/24時間、救急搬送後に出来るだけ短時間で治療を開始できる体制を整備しており、患者様の後遺症が最小限になるように努力しています。
脳動脈瘤に対する治療
未破裂脳動脈瘤に対し、動脈瘤の性状(場所、形、大きさ)を十分に評価した上で、開頭術である脳動脈瘤クリッピング術や脳血管内手術(コイルを使用した脳動脈瘤塞栓術)を行っております。
くも膜下出血を起こした破裂脳動脈瘤に対しては、頭蓋内圧管理を十分に行ったうえで、脳動脈瘤クリッピング術や脳血管内手術を行い、その後の集中治療では総合かつ集約的な治療を行い、良好な予後につなげます。
神経内視鏡手術
神経内視鏡(硬性鏡・軟性鏡)を使用して脳神経外科手術を行っております。頭蓋骨に開けた小さな穴から内視鏡を挿入して、脳内血腫を摘出します。従来の顕微鏡下手術に比べて短時間ですみ、患者様の負担も少なくなります。また、水頭症に対し内視鏡下第三脳室開窓術を行っております。
スタッフ紹介
南出尚人 科長
- 担当分野:脳神経外科一般、脳血管内治療、神経内視鏡手術、頸動脈狭窄症
- 資格等:
日本脳神経外科学会専門医・指導医
日本脳卒中学会専門医・指導医
日本脳神経血管内治療学会専門医
日本脳卒中の外科学会技術認定医・指導医
日本神経内視鏡学会技術認定医
金沢大学医薬保健学域医学類 臨床教授(学外)
医学博士
金沢大学卒
赤池秀一 医長
- 担当分野:脳神経外科一般、神経内視鏡手術、救急・災害医療
- 資格等:
日本脳神経外科学会専門医・指導医
医学博士
金沢大学卒
村松直樹 医長
- 担当分野:脳神経外科一般、頭部外傷、脳卒中
- 資格等:
日本脳神経外科学会専門医・指導医
医学博士
金沢大学卒